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トップページ > 農山村の背景情報 > 山で生きる・森をつなぐ仕事<part.3>

農山村の背景情報

03 山には自由があるんだ・片岡伸吾さん(内田林産/美作國チェンソーカービングクラブ会長/岡山)

03_片岡さん.jpg クローラの轍が深々と刻まれた作業道脇の林には、列状間伐が施されている。プロセッサが処理しきれない大経木を素早く検尺した片岡さんは、大排気量のチェーンソーを軽々と扱って玉切りを始めた。吹き渡る風に乗って、スギの香りが鼻腔をつく。「山には危険もあるけど、何よりも自由があります」と片岡さん。山仕事に転職して4年目。40歳までは治山林道協会に勤めていた。林道設計のプロとして20年。管理職でデスクワークも増え、業務に追われる生活が続いた。もともと高校の林業科出身だ。卒業後は木材市場で3年みっちり修行をしている。山で働きたい思いが募り、退職一週間後には現在の林業事業体にいた。
 機を同じくしてチェーンソーカービング(彫刻)に出会う。2005年の岡山大会では初級クラス優勝。大会出場をきっかけに、サラリーマン時代は御法度だった髭も蓄えた。仕事では素材を生産し、趣味ではそこに魂を吹き込む。昨年末「美作國チェンソーカービングクラブ」を設立。今夏は地元加茂で全国大会を主催と破竹の勢いだ。「人生は”明るく楽しく面白く“というのが僕のモットー。仕事も趣味も、皆で賑やかに楽しみたい」という。地元の子供達に、人工林を中心にした足元の自然の素晴らしさを伝える場を作るのが、次の目標だ。
(絵と文・長野亮之介)

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