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農山村の背景情報

山で生きる・森をつなぐ仕事<part.2>

山仕事は毎日が勉強

田村大(まさる)さん(西明寺林業代表/秋田県)

03_田村さん.jpg この日の現場は、道路拡張に伴う支障木の伐採。仕事仲間からチェーンソーを受け取った大さんが、急な斜面に足場を作る。腰を落とすと、太い根曲がりスギの幹に、ためらわず刃を食い込ませた。
「山仕事は毎日が勉強で、これでおわりってのがねぇから飽きないですよ」と大さん。野球少年だった。雪の少ない海側の町の高校に野球留学したほど。卒業後将来を考えた時、真っ先に浮かんだのが「橇」(そり)。6、7石の材を人力で牽く木材搬出用の道具だ。5、6歳の頃、素材生産業を営む父について現場に行った。橇に積んだ材にしがみついて雪の斜面を滑り降りる時の誇らしさが記憶に焼き付いている。あれを自分でやってみたい。その一心で家業に就く道を選んだ。
「きゃす(木を倒す)のも楽しいけど、一番面白いのは保育だね。手をかけただけ応えてくれるから」。橇の楽しみを上回る現場の多様さに、いつしか魅せられていた。
 24歳で立ち上げた西明寺林業の名では、森林組合の主に保育仕事。実家の田村木材では間伐作業が中心だ。7年前から製材も始めた。育てた木を伐ってみると、自分の仕事の結果を確かめられる。それがまた仕事の工夫に繋がる。重機は土を堅くするからなるべく入れない。植えた苗の回りは踏み固めないなど、オリジナルな施業方針を試行している。約20町歩ある待ち山に、いずれ路網を作りたいと、夢はますます広がっている。 (絵と文 長野亮之介)  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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